「会長!!!
 笹川了平が、やられたそうです・・・!」
「!?病院は?!」
並盛病院・・・
あたしはとにかく走って病室に向かった。
こんなに走ったのは、何年ぶりだろうか・・・
「・・っ、了平・・・!!」
「おぉ!ではないか!!
 どうした、そんなに息をきらして・・・」
扉を開けた先には、いつもの了平がいた・・・
「あっ、あんたが、やられた、って・・・」
「あぁ、確かに今回は少しやばかったかもしれない・・・」
「あんたねぇ・・・!!」
「だが、今はもう大丈夫だ!!!」
「はぁ・・・?」
あれだけやられて大丈夫って・・・
もしかして、頭を強くやられた・・・?
が、見舞いに来てくれたからな!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「?・・・?」
・・・ありがとう、了平・・・
「無事なら・・・いいよ・・・」
「おい、どうしたのだ、・・・」
あたしは、あんたが生きているだけで生きていける・・・
「少し、用事を思い出した・・・
 持田とかと話してて・・・」
「おっ、おい、!」
バタンッ・・・
あたしは了平の言葉を聞かずに乱暴に扉を閉めた。
そしてそれと同時に黒曜センターに向かって走り出した。
風紀委員が止めようが何て言われようが知った事じゃない。
着いた先の黒曜センターには、意外な人間がいた。
「・・・なんで、あんた達がいんの?」
「!、さん!!」
「テメー、何しに来やがった!!!」
「久しぶりだな、。」
「赤ん坊・・・
 悪いけど、今はあんたらの相手をする時間は・・・」
「六道骸。」
「?」
「今回の事件の犯人だぞ。」
赤ん坊はそう言ってあたしに一枚の写真を見せてくれた。
「この真ん中のが、六道骸だ。」
「・・・あたしを、騙したいわけ?」
「そ、そんな事ありません!!」
「・・・何で、そう思う?」
「リボーン・・・?」
「これは、オレたちが手に入れた有力な情報だ。
 それを・・・どうしてお前は疑う?」
「今そんな事を説明してる暇はないんだ。
 悪いけど、全てが終わった後にしてくれる?」
今のあたしは、了平をやった奴を倒す事しか頭にない・・・
「だが、お前が中に進む以上はこいつとの戦闘は避けられねぇぞ。」
「そんなの関係ない。」
「お前がその理由を言うなら、
 こっちも何か一つ情報を与えるぞ。」
「・・・・・・本当だね?」
「あぁ。」
確かに時間は惜しい。
だけどこんな所を闇雲に探して、
簡単に雲雀やその犯人が出てくるとは限らない・・・
あたしはとりあえずその案に乗る事にした。
「・・・今、雲雀がいる所を教えて。」
「雲雀なら、あそこのガラスの建物の中だぞ。」
「そう・・・」
「次はお前の番だ。」
「・・・その男、こうも簡単に
 人をおもちゃみたいに使えるような目をしてない。
 もしその男と闘る事があったら・・・
 とりあえず、目に注意してな。」
あたしはそれだけ言って例の建物に向かった。
あれだけ言えば、十分な情報でしょ。
その建物の中に入っていくなり、
あたしは血の臭いを辿っていった。
そうして辿り着いた場所には、案の定雲雀が倒れていた。
「雲雀・・・!!」
駆け寄って声をかけるも、返事はない。
多分、意識を失ってるんだと思う・・・
「・・・酷い怪我・・・」
「安心してください、死んではいません。」
「!・・・あんたが、今回の事件の犯人?」
あたしは突然の声に一瞬驚くも、
直ぐに落ち着いて武器である糸を手にとって振り向いた。
「えぇ、そしてこの町の新しい秩序。」
「・・・そんなの、興味ないね。」
「そうですか。
 ・・・では、貴女は一体何故ここに?」
「笹川了平っての、知ってる?」
出来るだけ、普通の声で話しかける。
「あぁ・・・
 確か、ランキングに入っていましたね。」
「そう、知ってるなら話は早いね。」
「お仲間の、敵討ちですか?」
「そんな立派なもんじゃないよ。」
「では、その得物をどうするつもりですか?」
「簡単な話。
 あんたの肉を切り裂くんだよ。」
「クフフ、それは面白いですね・・・」
「なら、大人しくしててくれる?」
「僕、痛いのは嫌なんです。」
「あっそ。」
なんなんだ、コイツは・・・
痛いのが嫌だ?
誰にだって当たり前の事だよ。
「ですから・・・」
「!!!」
どがっ・・・
「ぐっ・・・」
あたしは鳩尾を蹴られてそこを押さえながら背を丸めた。
なんとか、膝を付かずに済んだ・・・
「鳩尾に入れたつもりだったのですが・・・」
「ばっちし入ったよ。」
「それは良かった。」
口許に笑みを浮かべながら、
あたしはその人物から飛びのいた。
・・・油断、し過ぎたかな・・・
「さて・・・
 それじゃぁ、あたしもいかせてもらおうかな。」
「その糸・・・
 殺傷能力があるようには見えませんが。」
「普通の人間が扱えば、
 なんの変哲もないただの糸さ。」
「ほぅ・・・?」
「ただし、使い方によっては・・・」
ダンッ・・・
「・・・最強の凶器にもなる。」
あたしは糸をつかって近くの柱を切り倒した。
それには流石にこの男も驚いたらしい。
目を見開いて、その柱を見ていた。
「・・・初めて見ました、糸で柱を斬る少女なんて・・・」
「初めてじゃない、最後だ。」
それを合図に、あたしはその男にかかっていった。
まずは様子見で糸を相手の首に向かってかける。
それはもちろんかわされて、一気に間合いを詰められる。
だけどすぐに糸で境界線を作ると紙を一枚落として後退した。
「・・・なんですか、これは?」
「見てわかんないの?紙。」
「それは見れば分かります。
 一体何のつもりなのかを、聞いているんです。」
「敵に手の内を明かす馬鹿がいる?」
「それも・・・そうですね。」
「それ、そこに置いといてくれない?
 これから使うかもしれないんだよね。」
「おや?
 敵に手の内を明かす馬鹿はいないんじゃないですか?」
「これも作戦のうち、とか考えてみれば?」
「クフフフフ・・・貴女は本当に面白い・・・」
「ありがとう。」
「しかし・・・」
「!!」
男は再び間合いを詰めてギリギリまで近づいてきた。
「技を発動させる前に捕らえてしまえば、
 あの紙もただの紙でしかありません。」
「・・・その通りだよ。」
今度は両手を掴まれた。
これで、身動きは取れない・・・
・・・あたしも、あんたも・・・・・
「?なんですか、その余裕の表情は・・・」
「これの、どこが余裕な表情なわけ?」
「僕にはそう見えるんです。」
「・・・そういえば、あんたの名前、聞いてなかった。」
「知りたいんですか?」
「まぁ、興味本位でね。」
「・・・僕の名前は六道骸です。」
「六道ね。」
「骸です。」
・・・名前で呼べって?
やっぱり、コイツはふざけてる。
「いい加減離してくれない?」
「離せと言われると、離したくないのが人間の心理です。」
「なら、あたしと一緒に心中する?」
「!!?」
あたしは最後にニヤリと笑ってやった。
そして先程の紙についていた糸を手繰り寄せて六道の体を捕らえた。
「・・・なるほど、あれは後ろから使うための小道具でしたか。」
「その通り。」
「しかし、心中というのは?」
「これを引けば、あんたは死ぬ。
 ただし、その勢いであたしにも糸はかかる。」
「それで、心中ですか?」
「そう。」
「クフフ・・・クハハハハハ!!!」
「・・・何、とうとうおかしくなった?」
「いえ・・・
 貴女はとことん死にたくないようですね。」
「は・・・?」
「態々そんな事を僕に言うなんて・・・
 生かしてくれと言っているようなものです。」
「意味、わかんない。」
「では、その糸を引いてみてください。」
「言われなくても引く。」
「・・・貴女には、帰るべき場所があるのではないですか?」
「?!」
この、男は・・・・・
「そして今、その帰るべき場所のために闘っている・・・」
「・・・黙れよ。」
何を、言っている・・・?
「それ故に、本当は死にたくない・・・」
あたしの、何をしっている・・・?
「黙れって、言ってんでしょ・・・?」
何も、わかっちゃいないのに・・・!!!
「何て、弱い人間だ・・・」
「黙れ!!!!!」
ピッ・・・
それを合図に、あたしは勢いよく糸を引いた。
だけど切れたのは六道の体の所々だけで、
とてもじゃないけど死に至るまでにはならなかった。
「何・・・で・・・・・」
「クフフ、あれだけ時間があればどうとでもなります。」
「くっ・・・!」
あたしはもう一度糸を構えた。
今度こそ、この男を仕留めるために・・・
、僕は貴女が気に入りました。」
「は・・・?
 っていうか、何で、名前・・・」
「僕の物に、なってくれませんか?」
「ふざけんな。」
「ふざけてなどいません。」
「あんたはこれから死ぬんだ。
 ふざけた戯言をほざきながら・・・」
「もし貴女が僕の物になってくれるというなら・・・
 ここにいる雲雀恭弥、笹川了平、あと・・・持田、とか言いましたか?」
「・・・・どうする、つもりだ・・・」
「彼らだけは、生かしてあげます。」
「なっ!?」
「今僕が死んでも、僕の部下が彼らを殺るでしょう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしますか、・・・?」
「・・・それは、信用出来る言葉・・・?」
「それは、貴女次第です。」
・・・ごめんね、皆・・・
「絶対っていう保障は?」
「そうですね・・・
 では、神とやらに誓いますよ。」
あたしは、まだ弱い人間だった・・・
「・・本当に、本当だね・・・?」
「えぇ・・・」
了平の大丈夫より、この男の絶対を信用してしまった・・・
「・・・・それ・・なら・・・」
ごめん・・・ごめん、ごめん・・・!!
・・・!!」
「!!ひば・・り・・・?」
あたしの意識をハッキリさせたのは、雲雀の声だった。
全身が痛いのに、それでもあたしの名前を呼ぶ。
「君は・・・何のために、闘ったの・・・」
「・・・何の、ために・・・」
「その男を、たお、して・・・
 じぶ、んの居場所を・・守る、ため、でしょ・・・?」
「守る・・・」
「そんな男に、自分を委ねるな・・・!」
最後の雲雀の言葉に、あたしは無意識で糸を六道の首に巻きつけていた。
「・・・見えませんでしたよ。
 流石というべきなのですかね。」
「ははっ、ありがとう。
 だけど、これで終わり・・・」
「・・・貴女となら、うまくやっていける気がしたのですがね。」
「気のせいだ。」
その言葉を最後に、あたしは意識を失った・・・


























































「ん・・・?」
!!!
 目が覚めたか!?」
「・・・了、平・・?」
「オレもいるぜ、っつかわざとだろ。」
「持田・・・
 !雲雀、は・・・?!」
「今別の部屋で休んでいる。
 治療が良かったせいか、命に別状はない。」
「・・・そ、っか・・・」
「お前も、腹の痣以外は無傷で良かった!!」
「え・・・無傷・・?」
「あぁ。
 ただ、中々意識が戻らなくてな・・・」
「・・・二人とも、手握っててくれてたんだ・・・」
「む?」
「こっ、こいつがどうしてもって言うから・・・!」
「・・・ありがとう・・・
 了平、持田・・・」
「これくらい、朝飯前だぞ!!!」
「ったく・・・
 これだからには敵わねぇんだよ・・・」
「あ・・・
 じゃぁ、あの、男は・・・?」
「犯人なら、無事捕まったようだ。」
「そう・・・」
日本の警察に捕まるような、人間ではなかったと思うけど・・・
まぁ、それにはまた別の事情があるんでしょ。
「そうだ、、言い忘れていた!!」
「何を?」
「コイツ馬鹿だ。
 中身がカナリの馬鹿だ。」
「なっ・・・!」
「「おかえり。」」
「!!!!!」
「あんまり無茶をするなよ!
 心配するのはオレたちなのだからな!!」
「おかげで寝不足だ、ばーか。」
「・・・うん・・・ただいま・・・
 ただいま・・・二人とも・・・」
あたしは、久々に笑顔を浮かべた気がした・・・

END

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