ドキドキして
妙にそわそわする
+ 鼓動 +
ふわふわの耳
思わず抱き締めたくなるかのような 可愛い容姿
ぬいぐるみ。
コレが、あいつとの距離。
どうしてだろう。
コンは一護のベッドに寝転び、じっと勉強机に向かう一護の姿を見ながら考えていた。
外は晴天。雲ひとつ無い、真っ青な空が覗く下、勉強机に向かうオレンジ頭の彼。
何でこんな日にまで勉強する気が起きるのかが、未だに解らない。
ひょっとして、友達居ないんじゃあ…。
そんな考えは水の中、懸命に浮かび上がろうとする空気のあぶくのように浮かんで消える。
ふわふわと、シャボン玉みたいに。
意識さえもが混濁してゆくかのような錯覚
眩暈
めまい
―――なあ、一護
数日前、ふと、本当に、何気なく
―――オレの事、好き?
尋ねてみた事。
その時も一護は勉強机に向かっていて、ルキアは何処へ行ったのやら、気配さえも残らぬほど前に出かけたきり。
その時から部屋の中にはコンと一護の二人きり。正しく言えば、一人と一つなのだが。
とにも、かくにも、部屋にはピンと緩む事無く貼り付けつづける沈黙と、コンだけが感じる緊張。
オレの事、好き?
別に、血迷ったとか、そう言うのではなくて、なんとなく、
頭に浮かんで気になった事を其の侭言葉にして相手に伝えただけの事。
只、問題なのはその後の一護の雰囲気。
ぬいぐるみの中に居るコン。
自分を預けている媒体のぬいぐるみは全長27cm。
目の前に居るのに、背中しか見えないあいつは1m74cm。
幾らベッドの上に居るからといって、一護の顔が見えるわけじゃない。
身長差、ゆうに1mと47cm。
遠いあの人。
見上げても見えるのは背中ばかり。
伝わるのはピリピリと先程よりも張り詰められたかのように感じる空気。
ソレでも一護は振り向かない。
せめて、はぐらかそうとしてくれればもしかしたらまだマシなのかもしれない。
なのに、一護は空気だけを居心地の悪いものに変えて、相手にしようなどとはしない。
きっとこれっぽっちも思ってねぇだろ。
考えれば 考えるほど
悩めば 悩むほど
どんどんどんどん悲しくなるだけで、正直まいる。
数日前の出来事から、なんとなく、居心地の悪いまま。
コンは、一護の背中へ向けていた視線を窓へと移し、
何を思うでもなく立ち上がるとふらふらと窓辺まで安定感の無い布団の上を歩く。
たどり着くと窓枠に頭を乗せ盛大な溜息。
ソレもその筈。いい加減、つかれた。コレがコンの正直なところ。
考えるだけ、余計に悲しくなってくる
「てめぇっ」
「この馬鹿が!」
「オマエ…」
コンという名前を付けたのは一護。
そりゃあ、意味を考えてつけたわけじゃなくて、名前が無いと大変だから。
そういえって、コンとつけた。
もちろん、改造魂魄だから、コン。いたって単純。愛着すらないんじゃないだろうか?
名前を付けたのは一護。
なのに、一護がその名を口にする事は、数えるほどしかなくて。
その名を呼ぶときの声が、どこか変っている訳でもない。
いたって普通。あっても無くても、いつも同じ。
ただ、時々見せる優しい顔。眉間に皺は寄っているものの、それなのに、優しい顔。
周りの雰囲気も緩んでて、時々頭を撫でるその仕種。
ソレが、凄く大好きで。
そんな時に発する声色が、たまらなく好きで。
無い心臓が脈打つかのように身体は震え、鼓動を打つかのように胸の辺りが苦しくなる。
その声で、好きだと言われたらどうなるんだろう。
きっと、凄く嬉しい。
名前を呼ばれながら、言われたら
ソレこそ死ぬほど嬉しいかもしれない
叶わないから、余計に思いは膨れ上がるのかもしれないんだけども。
ふいに、後からぎぃと椅子の回る音がした気がした。
「何してんだ、てめぇ」
其の侭コンは一護に首根っこをつままれ、目の前に連れて行かれる。
ソレこそ、顔と顔との距離が、殆ど無いほどに近く。
ドキドキ
ドキドキ
「ぅ…ぎゃぁー!!?な、何なんだ、てめぇ、コラ!いきなり!!」
胸が張り裂けそうになる。
辺りに怒鳴り散らしても、一護の怪訝そうな表情は変る事無く、
コンの考えを見透かすかのように、射抜くかのように見つめる。
見つめる。そう錯覚するまでに、真っ直ぐな瞳。
コイツがみているのは、本当にオレか?そう思わずに入られない。
思い込まなきゃ、やってられない。
「イキナリって…じゃあ、何だ?首根っこ捕まえるのに、いちいち礼いれなきゃなんねーのかよ。」
はにかんだ笑みを浮かべる、その表情。販促なんじゃないだろうか?イキナリそんな笑み。
口からはもう、まともに言葉すら発せられないほどに、コンの無い胸は締め付けられて、
その視線に耐えられなくて、勢い良く俯くとぎゅぅっと、両腕で、胸の辺りを押さえ込む。
「…気分でも、ワリーのか?」
一護は少し心配そうに覗き込む。
どこか壊れたんじゃねぇよな?頭の中に、一護自身の声が響いた。
ソレを打ち消すかのように首を振る。壊れるわけ、ねーだろ。生きてんだから。
だから、余計に怖いのだけど。
「コン?」
名前を呼びながら抱き込む。
好きだ。 好きだよ…。
それだけを考えながら、コンは一護にしがみ付く。
少し震えながら。
もし、今、この時に人の身体を手にしていたら確実に泣いていそうなほどに歪んだ顔。
そんな表情見られたくは無くて、だから、余計にしがみ付く腕に力がこもる。
「いち…ご」
声が震える。
「…好きだぜ。」
割って入る一護の声。紡がれる言葉。
「この間のアレだ。返事。まあ、それなりには好きだぜ。」
ふと目に付く一護の耳元。耳だけ赤い。ひょっとして照れてる?
そんな事を頭の隅で考えながらも、大半の部分は嬉しさが占めていて。
例えソレが、恋愛の情ではなくとも、
コンを笑わせるには十分すぎる威力を持っているその言葉。
飾りなんてついていないその言葉が、その声が何よりも好きで。
「とーぜん、じゃねえか」
口から出るのは考えとはうって違う言葉だけれども、それでも、
醸し出される雰囲気から一護の表情も緩んでる事が感じ取れる。
今、この瞬間が
ああ どうしよう
ふわふわと まるでシャボン玉のように、心が浮かびそうで
一護の何気ない一言で心は埋まって
何気ない一言で、悲しくもなるけれど
それでも、一護は嘘はつかない奴で
時々笑う、顔が好き
名前を呼ぶときの、優しい声が好き
どうしてとかで括れる物じゃなくて
ただ…
一護が 好き
それだけなんだ。
何ですか、コレ。(汗)
スランプです。脱出のためにぽちぽち、とっと、他のとは違うものかいてます。
処で見てきたのか。激しくマイナーな、イチコン。
いいでしょーが、好きなんだから!!いや、ホントに。
ナルとか、そんなんじゃなくて、一護は「好きになるのは身体じゃなくて中身だろ」とか言っちゃう人ですから。
(私の脳内で)そのまま自分体とエッチできる人ですよ。中身コンなら。
と、いうよりも、相手がコンの時だけ唯一攻めになれると!!おお!!
冗談です。今回は一護←コン気味ですね。まとまりの無い…。
こんなものでも、少しでも好き!と思ってくれちゃう人がいてくれることを願います。
では。