10ページめ

「だから…」

委員長が青い眼鏡を人差し指であげる。
委員長の癖だ。

「七虹香さん…私は…」

「大丈夫だよ!!」

委員長が言いかけた言葉を七虹香がとめた。

「私は,青空の事はやっぱりただの同級生だし,まだ告白って決まったわけじゃないもの。」

七虹香は心からそう想った。
もし告白だとしても自分は,必ず断ると思ったし,それで青空とぎこちなくなるとは思わない。

「だから…大丈夫。委員長,みんな。心配してくれてありがとう。」

七虹香は初めてクラスメイトに対して笑った。
初めて,この人達がいてよかった。このクラスになれてよかったと思えた。

「本当に?」

みんなが心配そうに七虹香を見る。

「うん。だって私は…」

キーンコーンカーンコーン―――――…。

「おい,なにトイレにたむろってんだ?予鈴鳴ったんだから早くクラスに戻れよー…。」

国語の鈴蘭先生が女子トイレに声をかけて教室に入っていった。

「…………。」

「戻りましょう。授業に遅れるのはよくないわ」

委員長の一言でみんな教室に入っていった。

「七虹香さんも。」

「…うん」

七虹香と委員長はトイレを出て,教室に戻った。



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